ピクマート

作者コメント

虹を作ってた。　虹を作ることに夢中で、
すぐそばに咲いてた白い花に、水をやるのを忘れていた。

枯れてから気がついた。君はいつも私の横で咲いてくれていたんだね。
涙があふれて、ぽたぽたと落ちた。

それからも、私は虹を作ろうと必死だった。
でも、今度は違う。自分のためなんかじゃない。
見せたいんだ、君にも。

ふと気づくと、涙でできた水たまりに、小さな芽がぽつんと顔を出していた。

…おかえり。そして、ごめんなさい。

今度はちゃんと、大切にするね。


顔を上げると、遠くの空に虹が浮かんでいた。